レーザーカッター用 aiデータを作成しよう!
おととい自分だけのデザインをモノに彫刻・プリントを行うことができる&Fabの施設についてレポートを書いた。
レーザーカッターを使用してイラストを木製トレイに彫刻したのだが、レーザーカッターがデータとして処理できるようにパス化する作業が、illustratorがあまり得意でなく作成にめっちゃ時間がかかってしまった…。
私のような子羊がデータ作成に迷った時のためにillustratorに不慣れな人向けの、イラストデータをレーザーカッターが扱いやすいパスデータ化する流れをまとめておく。使用しているバージョンはillustrator CC2017。
バージョンを確認して気がついたが、illustratorのアップデートを忘れていた…。
完成品
無印良品の木製トレーにレーザープリンターで自分の猫イラストを彫刻した作品で、なんともいいがたい出来ではあるのだが、あじはある(家族にプレゼントしたものなので、そう信じたい)
この作品を作るための、画像データをレーザーカッターが扱いやすいようパス化する工程を説明していく。
イラストのパス化
jpg形式の画像をillustratorでパス化を行う。
画像データの読み込み
ステージに画像データを配置する。
画像トレース
ポイントとして、レーザーカッターで彫刻するさいには色=深さになるのだが、100段階の深さとか表現しづらいので色数を減らす。今回は【画像トレース>6色変換】を行う。
後述するが、素材によっては深さの差が見せられないモノもあるため素材によっては2階調にする必要がある。
拡張
トレースに問題がなければ、拡張をクリック!(細かい色の変換が気に入らない場合は、色数を増やしてトレースしてのちに手動で色を減らしていく)
パス化完了!
でっきたー。
色(彫刻の深さ)調整
色を整理
5段階くらいの色の差が表現できたらいいな、ということでパス化されたイラストデータの色数を5色に減らしていく。
が、木製トレイ相手では5段階の彫りの深さはあまり差が出ないので、段階が多すぎたなと完成したモノを見て思った。
ちなみに私はデータを作る際に、自分が色数を認識しやすいように左上に深さと色の対応を示したパレットを置いておいた。
レーザープリンターが処理しやすい色に変換
データはRGBカラーで作成していて、数字が小さいものから彫りの深さの順(0がもっとも深く、4がもっとも浅い)で
色の濃さ | R | G | B |
---|---|---|---|
0 | 000 | 000 | 000 |
1 | 000 | 000 | 255 |
2 | 000 | 255 | 000 |
3 | 000 | 255 | 255 |
4 | 255 | 255 | 000 |
で設定した。上記のような超ハッキリした色分けだとレーザープリンターがデータを処理しやすいと聞いた。
前のステップで作成したパレット(画像左上の5つの円)で、差し替えたい円をクリックして【選択>共通>カラー(塗り)】で、ファイル内で円と同じ塗りが全て選択される。同じ色を選択した状態で、指定した色をデータ的に扱いやすいカラーにまとめて差し替えればラクチン。(この方法を知らず、店頭でデータを修正するためにパスをちまちま選択して変換してしまった…)
最後になったが、fab施設へのデータ持ち込み時にはフォントのアウトライン化をお忘れなく!
レーザープリンターの色(彫刻の深さ)について
完成品をみるとわかるが、うちの猫のお腹は白いので、お腹が白抜きにならなかったのは失敗だった。素材にもよると思うが、彫刻によってもとの素材の色から薄くなるタイプなのであれば、反転した色を想定しなければいけなかったのだ。そういえば、子供の頃に版画で同じ失敗をした記憶がある。
反転した状態は慣れないと想像つかないので、たとえばPhotoShopなどで作ったデータをグレースケール化して…。
グレースケール化した画像の色調を反転すると、どこが彫刻されるかわかりやすいかもしれない。
こうしてみると、お腹白くなってほしいなーとデータ調整の検討がつけやすい。
そもそも、5段階の彫刻は差がわかりづらかったなーと完成後に反省。
今回の作品はペンなどを置くトレイとして使用するものなので、差を見せるために深く掘るとホコリを掃除しづらい。そう考えると実用品のレーザーカッターでの彫刻は、2段階くらいの深さに止めるのがベターではないだろうか。美術品ならバリバリ深く掘ってもいい気がする(加工に時間かかりそうな気もするが…実験してみたい)
素材によって彫刻した部分に焦げの色が出て、彫りが深くなるとともに色が濃く見えるケースもあるようなのだが、素材ごとにテストしてやりたい表現がマッチしているか検証する必要がありそうだ。
また、木製のモノは数段階の深さで彫刻可能だがアクリルは無理とかあるので、レーザーカッターを使用して自分がやりたい表現がその素材でできるかどうか、失敗覚悟で挑戦するかスタッフの人に相談すると吉。
おわり
次はもっといいかんじにデータが作れる気がするのだが、そう考えるとまた作りたくなってしまうんですよなー。ものづくり沼。
やっぱり機器の扱いも自分で覚えたい…。
ちなみにadobe illustratorは仕事で使うことがあるので、amazonのセール祭りみたいな時に大幅割引で年間ライセンスを購入した。長年にわたってillustratorに対して苦手意識があったが使ってみると死ぬほど便利で、なぜ今まで無理にPhotoshopで全てを解決しようとしていたのか謎…。
Fabって遊んだシリーズ
今回の記事を書くきっかけになった、渋谷ロフトの商品に、UVプリンター、レーザーカッター加工を行うことができる施設「&fab」のレポート。スタッフの人がやさしく教えてくれる。
&fabで作る遊びをしたことをきっかけに、オリジナルデザインの作り方のTipsについてまとめた初心者向けヒント集。